ホームブログ
ブログ一覧へ戻る

海外のZ世代が使う絵文字スラング。その一文字に、そんな意味があったのか

💀で「笑い死んだ」、🧍で「無言の気まずさ」、🤡で「自虐」。海外のZ世代が使う絵文字スラングは、見慣れた記号が全然違う顔をしている。その背景と一緒に8選を紹介。

目次

海外のSNSを眺めていると、見慣れた絵文字が見慣れない使われ方をしていることがある。笑っているはずの絵文字が嘲笑として使われていたり、一見無害な果物が下ネタとして機能していたり。日本で普通に使っている絵文字が、海外のインターネットでは全然違う顔をしていることって、実は結構ある。

この記事では、海外のZ世代を中心に広まっている絵文字スラングを、その背景と一緒に紹介する。知っていたからといって特に得をするわけでもないけど、海外のポストを読むときの解像度がちょっとだけ上がる。そういう種類の話。

---

💀は、死ぬほど笑ったという意味

数年前まで、世界で一番使われていた絵文字のひとつが😂だった。Oxford Dictionariesが2015年に「今年の言葉」として選んだこともある、いわば絵文字界のスターだった。

ところが今、英語圏のZ世代にとって😂は「おじさん・おばさんが使う絵文字」という、ちょっと切ないポジションに移動しつつある。彼らが本当に面白いときに使うのは💀、つまりスカル(骸骨)の絵文字だ。「I'm dead(死んだ)」という英語スラングが由来で、「死ぬほど笑った」を一文字で表現している。

「この動画見て💀」と言われたら、それは「この動画やばい、笑いすぎて死んだ」という最大級の賛辞。日本語で言えば、「草」が「w」を経て「大草原」になって、今では「死ぬほど笑った」と言う感覚にかなり近い。言語って世代ごとに更新されていくし、絵文字もその例外じゃないっていう話。

同じ文脈でよく使われるのが😭(号泣)で、こっちも「泣くほど笑った」の意味で機能する。「かわいすぎて泣いた」「面白すぎて泣いた」みたいな、感情が振り切れた時の万能表現として定着している。

---

🧍は、なんとも言えない微妙な空気

棒立ちの人間の絵文字、🧍。これは英語圏のZ世代の間で、「なんとも言えない空気」を表現するためのスラングとして使われている。

気まずい瞬間。リアクションに困る発言。相手が滑っているのにどう反応していいか分からない状況。そういう「無」の感情を、この棒立ちの人間一文字で表現する。日本語で言えば「真顔」に近いけど、もう少し「困惑してるけど何も言えない」というニュアンスが強い。

会話の中で相手が妙な発言をしたとき、「🧍」とだけ返す。それだけで、「今の発言、ちょっと受け止めきれないです」という感情が伝わる。言葉にすると角が立つ感情を、棒立ちの人間に代弁させている。絵文字の使い方としてはかなり発明に近い。

---

🍑と🍆は、もはや果物でも野菜でもない

桃とナス。日本人にとっては完全に食材の絵文字だけど、英語圏のインターネットではこの二つ、長年にわたって性的なスラングとして機能している。

🍑はお尻、🍆は男性器を指す記号として、もはや定着しきっている。あまりに定着しすぎて、英語圏ではこれらの絵文字を料理の文脈で使うこと自体が減っている、という逆転現象すら起きているらしい。つまり「ナス料理を作った」と言いたくても、🍆を使うと意図がねじれて伝わるので、多くの人がわざわざ「eggplant」と文字で書く。

絵文字が本来の意味を失って、スラング側が主導権を握ってしまった典型例。野菜が野菜じゃなくなる、インターネットの恐ろしさ。

---

🔥は、最高という意味の万能絵文字

英語圏でめちゃくちゃ幅広く使われているポジティブ絵文字のひとつが🔥。直訳すると「炎」だけど、実際の用法は「最高」「かっこいい」「やばい(良い意味で)」を全部兼ねる。

新曲のリリース、おしゃれな写真、気の利いたツイート。そういうものに対して🔥一文字を送るだけで、「これは最高だ」という賛辞になる。日本語で言うところの「エモい」「神」「ヤバい」にかなり近い、使い勝手のいい万能語。

面白いのは、🔥には皮肉の余地がほとんどないこと。😂や🙂が世代やニュアンスで意味を変えていくのに対して、🔥は比較的純粋に「良い」を意味し続けている。国境も世代も超えて通じる、数少ない絵文字のひとつかもしれない。

---

😭は、悲しみよりも愛おしさ

涙を流して泣いている絵文字😭は、もともとは文字通り「悲しい」「辛い」を表す絵文字だった。でも今の英語圏Z世代の用法だと、この絵文字は悲しみよりも「感情が振り切れた」という意味合いで使われることのほうが多い。

子犬の動画を見て「かわいすぎる😭」。好きなアーティストの新曲を聴いて「良すぎる😭」。友達の冗談を聞いて「面白すぎる😭」。ポジティブな感情が強すぎて処理しきれない、その「オーバーフロー」を表現する絵文字として機能している。

日本語の「尊い」に近い感覚かもしれない。本来は仏教用語だった言葉が、推しを表現するための最高級の賛辞として転用されているように、😭も本来の意味からずれた場所で新しい役割を担っている。こういう意味のズレ方が、言語と絵文字の共通点だったりする。

---

🤌は、イタリア人のあのジェスチャー

指先をすぼめた手の絵文字🤌。これはイタリア人の有名なジェスチャー「che vuoi?(何が言いたいの?)」が元になっている。

英語圏のZ世代は、このイタリアンジェスチャーを「なんとも言えない独特な感情」を表現するために使っている。シェフがキスをするような「完璧だ」というニュアンスから、イライラを込めた「は?」というニュアンス、あるいは単に「なんとも言えない気持ち」まで、文脈によって意味が変わる多義的な絵文字。

特におしゃれなレストランの写真やおいしそうな料理を紹介するときに「🤌」と添えるのは、「これは最高」という意味で使われる。イタリア料理の本場感と結びついた、不思議な国際化を遂げた絵文字と言える。

---

🥲は、笑顔と涙の同居

笑顔で泣いているような独特な表情の絵文字🥲。これは比較的新しめの絵文字だけど、すでに「複雑な感情」を表現する定番になりつつある。

嬉しいけど寂しい、楽しいけどちょっと辛い、笑っているけど本当は泣きたい。そういう、一言では言い表せない感情のひだをこの一文字で表現する。英語圏では「bittersweet(ほろ苦い)」な感情を表す絵文字として位置づけられている。

日本語の「泣き笑い」に近いけど、もう少し内省的なニュアンス。「別れが寂しいけど、いい時間だった🥲」「頑張ったかいがあった🥲」みたいな、ちょっと成熟した感情を表現するときに使われる傾向がある。

---

🤡は、自分を笑う道化師

ピエロの絵文字🤡は、英語圏のZ世代の間で「自虐」の記号としてかなり強く機能している。

「あの人のこと本気で好きだったのに、既読無視されてた🤡」「徹夜で準備したプレゼン、日程間違えてた🤡」みたいな形で、自分の愚かさを笑い飛ばすときに使う。「道化師(clown)」という英語スラングが「バカげたことをする人」「笑いものになる人」を意味することから派生したもの。

他人に対して🤡を使うと強い侮辱になるけど、自分に対して使うと自虐的なユーモアになる。この境界線の微妙さが、スラング絵文字ならではの難しさでもある。使うときは「誰に向けた🤡なのか」を間違えないように。

---

おわりに

こうやって並べてみると、絵文字って単なる記号じゃなくて、ほとんどひとつの言語として振る舞ってるのがよくわかる。新しい用法が生まれて、古い用法が静かに廃れて、世代ごとに流行が移り変わっていく。スラングが生まれるのは、文字の世界だけの話じゃないらしい。

次に海外のポストで💀や🧍を見かけたら、「ああ、笑い死んだって言ってるんだな」「なんとも言えない空気なんだな」って、ちょっとだけ解像度高く読めるはず。それくらいの豆知識として、頭の片隅に置いておいてもらえたら嬉しい。

ちなみに、この記事を書いている間に一番「使いたい」と思ったのは🥲だった。情報量のわりにどこで使うか難しい絵文字ランキング、個人的には上位。

世界と話そう

VAYSSは、12言語のAIリアルタイム翻訳つき無料チャットアプリ。好きなトピックのルームで、世界中の人とあなたの言葉で話せます。

VAYSSを試す